中国の中央銀行総裁は、同国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)を利用した取引が6月末時点で1兆8000億元(2500億ドル)に達したことを明らかにした。また、中国人民銀行(PBOC)関係者は、デジタル人民元の流通額が165億元に達したと述べた。
最新の人民元統計
中国人民銀行(PBOC)の李剛総裁は2日、シンガポールの中央銀行であるシンガポール金融管理局(MAS)が主催した講演会で、中国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する最新の統計を明らかにした。
中国の中央銀行総裁は、e-CNYとも呼ばれる中国の中央銀行デジタル通貨を利用した取引が、6月末時点で1兆8000億元(2500億ドル)に達したことを明らかにした。これに対し、昨年8月のデジタル元取引は約1000億元だった。
また、中国の中央銀行のデジタル通貨の流通量は、6月末時点で165億元に達していることも明らかにした。さらに、デジタル人民元の総取引件数は9億5000万件に達し、1億2000万ウォレットが開設されたと述べた。
電子人民元の流通量は、中国の通貨供給量(M0)の0.16%、つまり現金流通量に過ぎないことを指摘し、ロイターは次のように述べた:
今現在、e-CNYの残高はM0の1%の10分の2を数えるに過ぎず、残高は非常に小さいが、このような残高で(我々は)多くの取引をサポートしている。
PBOCは2019年末にデジタル人民元の試験運用を開始し、蘇州、深セン、雄安、成都など中国各地の都市でデジタル通貨のテストを行ってきた。7月には済南市が公共交通機関の運賃にデジタル人民元決済を導入した。上海手形交換所も最近、人民元のデジタル決済に対応した。一方、中国銀行はデジタル人民元のテストをSIMカードとNFC決済に拡大した。