米国の裁判所は、暗号通貨の所有者を詐取するために共謀した罪に問われていた男に対し、禁固3年の判決を下した。裁判所はまた、この男に対し、加入者識別モジュール（SIM）スワップ詐欺スキームの被害者11人に対し、281万6433ドルの返還を命じた。
SIMスワップ詐欺スキーム
米国の連邦地裁は、暗号通貨所有者を詐取する陰謀の一端を担ったとして起訴された男に対し、懲役36カ月の判決を言い渡した。連邦検事局が発表したプレス・ステートメントによると、このアンソニー・フランシス・フォークという男はまた、SIMスワップ詐欺スキームの11人の被害者に281万6433ドルの返還金を支払うよう命じられた。
8月18日の報道声明にあるように、米連邦大陪審は2019年12月10日、フォークが電信詐欺を共謀したことが合衆国法典第18編第1349条に違反すると決定していた。大陪審はまた、強要を意図したフォークの州間通信が合衆国法典第18編第875条(d)に違反すると決定した。しかしながら、恐喝罪はウィリアム・H・オリック連邦地裁判事により棄却された。
約2,000万ドル相当の資産の没収
フォークは司法取引合意書の中で、暗号通貨の所有者から金を騙し取り、恐喝する計画を立てたことを認めた。2016年10月から2018年5月にかけて実行されたこの計画では、携帯電話事業者を騙して、フォークと共犯のマシュー・ディットマンとアフマド・ハレドに被害者の携帯電話番号を管理させた。一旦番号を支配下に置くと、フォークはこれを利用して被害者のデジタル資産をハッキングし盗み出す。
資金流出に成功した後、フォークとその同僚は、被害者の口座をさらに危険にさらすと脅して、被害者からさらに金を脅し取ろうとしたとされる。
一方、裁判所は3年の刑期と賠償金に加え、”フォークの犯罪によって得られた収益を構成する、あるいはそれに由来する “資産の差し押さえも命じた。没収された資産には、ペンシルベニア州ラトローブにある推定価値100万ドル近い自宅が含まれる。1870万ドル以上を保有するJPモルガン・チェースの口座3つと自動車3台も没収された。
