キショア・マフブバニ元国連安全保障理事会議長は、今世紀は中国が支配するだろうと述べた。マフブバニ氏は、中国に対するいわゆる「封じ込め政策」は失敗し、国家間の「争い」に対する軍事的アプローチにより、米国は他国から孤立することになると断言した。また、中国、インド、ASEAN(東南アジア諸国連合)が世界経済の「成長エンジン」になると詳述した。
キショア・マフブバニ:「この21世紀はアジアの世紀になる
シンガポールの外交官、キショア・マフブバニによれば、中国をはじめとするアジア諸国が21世紀を支配することになるという。2001年1月から2002年5月まで国連安全保障理事会議長を務めたマフブタニ氏は、彼がCIAと呼ぶブロック(中国、インド、ASEAN諸国が統合)が、今後10年間に世界で最も経済成長率の高い国になると考えている。
この外交官は、アメリカはアジア経済の状態について否定的なニュースを流し、過去20年間の成長を無視することで、この情報を抑え込もうとしていると詳述した。グローバル・タイムズとのインタビューで、マフブバニは次のように述べた:
なぜアジアは失敗しているのか、なぜ中国の経済成長は終わったのか、なぜアジア人同士は争い続けるのか。彼らはアジアについて否定的な話ばかりをする。
マフバニは、グローバル・サウスや一部のヨーロッパ諸国を含め、いくつかの国がこの新しい世界秩序を理解していると説明した。しかし、アメリカにはこの事実を認めることへの抵抗がある。
アメリカは、20世紀はアメリカの世紀であり、21世紀もアメリカの世紀であるべきだと信じたいのだろうが、それは非常に非現実的だ。アメリカの世紀は終わり、アジアの世紀がやってくるのだ。
(ドラゴンを封じ込める
マフブバーニにとって、21世紀の戦場は各国の軍事力ではなく、経済成長に基づいている。だからこそ彼は、最近の中東におけるアメリカの軍拡を間違いだと指摘するのである。
同じようにマフバニは、中国に対するいわゆる「封じ込め政策」(「脱リスク」とも呼ばれる)は失敗し、中国が世界貿易におけるかつての地位を取り戻そうとしていると見ている。彼はこう宣言した:
なぜなら、中国はすでに米国以上に世界と一体化しているからだ。
さらにマフブバニは、この政策によってアメリカは「世界から孤立」することになると主張し、環太平洋パートナーシップ協定からのアメリカの脱退を「悪い決断」だと述べた。